
こんにちは!Noaです。
私は過去に訪問入浴看護師で
バイトをしていた事があります。
今回は看護師の働き方の中の
【訪問入浴】をご紹介します。
はじめに
単発派遣で働く事を考えている人は
前半部分を読めば業務内容が分かるようになっています。
訪問入浴で転職を考えている人は
後半部分はメリット・デメリットも紹介していますのでそちらも興味があればご覧ください。
訪問入浴とは
利用者のお宅に入浴車で訪問して入浴のサービスを提供します。
自宅のお風呂を使う訳ではなく持参した浴槽を設置します。
一般的に看護師1人、介護スタッフ2人の3人チームで利用者宅に訪問します。
訪問入浴看護師の業務内容
基本的に緊急時を除いて訪問入浴の看護師は入浴とは関係ない医療行為はできません。
吸引や尿道カテーテルの交換などはありません。
・衣服の着脱介助
・浴室までの移動介助
・入浴中の介助
・入浴後の処置
・記録
最も重要な役割としては入浴前後のバイタルサインチェックです。
医師の指示書がある人とない人がいます。
医師の指示書がある場合はそれに沿って判断し、ない場合はバイタルサインやそれに伴う症状の観察を行い状況によって家族や本人、介護スタッフと相談して入浴の可否を判断します。

一人で判断しなければならない事はないのでご安心くださいね。
訪問入の浴の流れ
1件あたり1時間のサービスです。
訪問前に利用者の情報シートを見ながら注意事項、前回の入浴の様子をスタッフ全員で情報共有をしてから訪問します。
以下はお宅訪問中の一例です。

次に、1日の流れの例をご紹介します。
(出発時間や帰社時間は日によって変則的です。)
ナースバックに利用者の情報や必要物品を確認して出発します。
(※単発派遣の場合は前もって準備されています。)
1日5~7件程度回ります。
訪問入浴看護師のメリット/デメリット
メリット
- 本人、家族に感謝される
- 多職種と協力し利用者のQOL向上に貢献できる
- 利用者との信頼関係を築く過程が楽しい
- 色んな家族の在り方や生活の場が分かる
- 自分の価値観に刺激を受け、人として成長できる
3人で訪問する為、相談できる相手がいる
チームで訪問する為、1人で判断を委ねられるという事はありません。
看護師だからと気を張らなくても介護スタッフとカバーしあえるので安心です。
多職種と連携し利用者のQOL向上に貢献できる
利用者層は「成人~ターミナル期」まで多岐にわたります。自立している人もいれば呼吸器を装着し寝たきりの人もいます。
医療的な立場というよりは、介護的な立場として介入する事が多いです。
入浴という部分的な介入ですが、利用者の健康状態、家族の介護の負担状況などを
知れる機会になります。
介護スタッフ、ケアマネージャー、訪問看護師、リハビリなどと連携し情報共有をする事で利用者のニーズを充足する事、家族を支える事にとてもやりがいに感じていました。
利用者との信頼関係を築く過程が楽しい
最初の訪問の頃は利用者に嫌味を言われたり、素っ気ない態度の利用者もいらっしゃいます。
でも諦めずコミュニケーションを取ったり、
苦痛や羞恥心を最小限に抑えるようケアを必死に覚えたりする事で
「お前なら大丈夫やな。任せるわ。」
「待ってたよー。今日もお願いね。」
と暖かい声をかけて下さるようになった時は
とても嬉しく感じる瞬間でもありました。
自分の価値観に刺激を受け、人として成長できる
私が訪問入浴して学んだ事を通して学んだことは
【自分の価値観や常識を人に押し付けない】
という事です。
オムツの当て方ひとつにしても看護師の視点から見ると「それ本当に正しいの?」と思う事もあります。
しかしそれがその家庭の在り方、ルールだったりするのです。
その状況に至った経緯には利用者の思い、介護する家族の手技の問題や考え方、用意できる物、コスト面など様々な背景から導き出された過程があります。
必ずしも正しいやり方ではないかもしれないけど、その人にとっての「正解」を考えるようになりました。
もちろん看護師としてリスクやアドバイスをする事もありますが選択するのは当事者である利用者とその家族です。
その為、自分の価値観で「こうあるべき」という考えを捨て柔軟に物事を考えられるようになりました。
デメリット
- 介護スタッフと合わないと辛い
- 訪問時間が決まっている為、時間に急かされる
- 体力勝負
- 衛生状態のよくないお家に訪問する事もある
- 看護技術の習得は難しい
介護スタッフと合わないと辛い
3人チームで回るので介護スタッフと合わないと車の中が気まずいなどの問題が発生するかもしれません。
時折、看護師と介護スタッフとの考え方の違いに相違がある事が原因になりますが、それぞれ見る視点が違うので相手の考え方も受け入れつつ、自分の考えも伝えるなど常にリスペクトな気持ちを持って歩み寄る努力はしましょう。
時間が決まっている為、時間に急かされる
1件の時間が決まっており、時間内に終了できないと次の利用者にも支障がでてしまう所が難点。
しかし慣れですので、丁寧に業務内容を覚えていきましょう。
介護スタッフもフォローしてくれますので心強いです。
体力勝負
訪問先にはエレベーターがなく階段を使用する場合もあります。
ナースバックの他にたくさん荷物も持ちながら階段や廊下を移動する事もあります。
また夏の入浴介助は汗だくです。
ご自宅によってはクーラーがない所もありますし、病院のベットみたいに昇降機能がついているのは稀です。
十分なスペースを確保するのも難しい場合があり移動や着脱介助時に体に負担がかかる事もあります。
体の使い方には注意が必要です。
衛生状態のよくないお家に訪問する事もある
足の踏み場がないような場所にも訪問します。
衛生状態がよくないとは別に、動物を飼育されているご自宅もあるので動物アレルギーの方はちょっと辛いかもしれません。
私は変えの靴下を持って行き対応していました。

正直、私はこれが一番辛かったです。
出退勤の時間が変則的、拘束時間が長い
出発・帰社時間がその日によって違います。
帰社してからも片付け・翌日の準備等があるのですぐには帰れない事が多いです。
(大体10分~30分程度でした。)
看護の技術習得は難しい
何度も言いますが、訪問入浴看護師は基本的に医療行為ができません。
着脱介助や移乗介助などの技術習得はできますが病院で行うような看護技術の習得はできません。
その為、積極的に知識、看護技術を学びたいという人には物足りなく感じると思います。
さいごに
訪問入浴は体力は必要ですが看護師経験が浅い、ブランクのある人でも挑戦しやすいと思います。
それよりも重要なのは気遣いや柔軟性、協調性です。
利用者や家族に感謝され、やりがいのある仕事です。
ただ、車酔いをしやすい方は注意が必要かもしれませんね。

いかがでしたか?
少しでも参考になれば嬉しいです。
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